「地域の振興には歴史的な資源や特産物に必ずしも頼る必要がない」。経営学部2年生のコース別必修科目である経営基礎3(多摩ブランド創生コース)の3人目のゲスト講師として、立川アニメのヒット作による聖地巡礼の成功を仕掛けた運営事務局、立川観光協会の高橋佑弥さんをお招きしました。
立川を舞台にしたアニメーションには次のような作品があります。
・とある魔術の禁書目録(インデックス)
・とある科学の超電磁砲(レールガン)
・聖★おにいさん(映画)
・ガッチャマンクラウズ
・ガッチャマンクラウズインサイト
・世界征服 謀略のズヴィズダー
・フレームアームズガール
・宇宙よりも遠い場所
「とある魔術の禁書目録(インデックス)」を観たユーザーファンが舞台背景となった立川市の背景場所を訪れ、自分が登場人物になりきる写真を撮影したり、現地で買い物したりする行動から、「コンテンツ・ツーリズム」の仕掛けが始まります。
(C)鎌池和馬/アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX MOVIE
(C)鎌池和馬/冬川基/アスキー・メディアワークス/PROJECT-RAILGUN S
アニメファンは人気作品の舞台場所を「聖地」と呼び、東京や地方、また中国や台湾など海外からも続々と訪れる巡礼現象が起きる。当初は街歩きとそのガイドマップの配布から始まったが、立川観光協会とブランド強化委員会が中心となり、「とあるアニメの連絡会」が加わり、事務局の組織体制ができました。アニメ聖地を観光資源にする取組みの始まりです。
▼「とある自治体の地域振興」ロゴ
市内の商店街や産業のイベント「たちかわ楽市」でアニメ関連のグッズ販売やファン待望の声優イベントなどを開催して聖地巡礼の人気をさらに高め、市内を訪れる人が増え、地元商業の売り上げも増加しています。この仕組みが定着して、新しい作品が放映されると、連動してファンの巡礼を呼び込むイベントや商品販売が実施されています。2018年放送の「宇宙(そら)よりも遠い場所」では、作品舞台となった国立極地研究所 南極・北極科学館でイベントが開催され、全国から数千人のファンが駆けつけました。
アニメやドラマなどの作品舞台をファンが訪れる聖地巡礼。これを「コンテンツ・ツーリズム」と呼びますが、立川市はアニメ聖地巡礼を継続的に成功させている先進事例として全国からも注目されています。講師の高橋さんの熱い語りから、私たちもそのパワーをいただきました。
▼高橋佑弥さん