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「川越・昭和のまちづくり」の仕掛人による講演会を開催しました

2018.5.14

 経営学部2年生の必須授業である経営基礎3(多摩ブランド創生コース)では、地域ブランド開発や商店街の活性化などに精通する官民のスペシャリストをゲスト講師としてお招きしています。

第2回のゲスト講師としては、川越で「昭和」をコンセプトとした商店街活性化に取り組む、「昭和の街の会」副会長、呉服屋笠間・店主の笠間美寛氏をお迎え致しました。

【笠間美寛(かさま よしひろ)氏】

笠間氏による講演の様子

 笠間氏は、旅行の添乗員として、国内外のさまざまな観光地を訪問され、まちづくりや地域活性化のヒントを吸収されました。31歳の時に地元川越へ戻り、明治から続く呉服屋笠間の4代目店主として、地元川越の商店街活性化に尽力されています。現在は、川越昭和の街の会副会長、NPO法人川越蔵の会理事などを兼務されています。今回は、学生が商店街活性化を担う上でのポイントや期待についてお話頂きました。

【2014年昭和の街の会発足当初のシャッター街】

 2014年に昭和の街の会が発足しました。当初は古いアーケードが残っていて、老朽化が進んでいたので、まずはその撤去から始めました。アーケードの撤去をしたら、偶然にも昭和初期の「看板建築」という珍しい遺構が発見され、それを地域資源と捉え、当時の趣を活かした「昭和」をコンセプトにしたまちづくりが始まりました。

笠間氏らが意識されたことは行政任せにせず、まずは商店街のメンバーが主体的となって、さまざまなアイデアを考えるということだそうです。商店街への人の回遊化を促進するためには何が必要か、空き店舗の活用や、SNSを使ったプロモーション、賑わいイベントの企画などの検討を重ね、今でもその姿勢は変わっていません。学生との連携企画もその一つです。

【尚美学園大学と連携したライブイベントの企画】

商店街の様子

 さまざまな大学と共同でイベントや活性化事業を展開されています。尚美学園大学とは2月に音楽イベントを開催されました。

また、東洋大学の学生からは、シャッターにそのままアート作品を描きたいという提案があったそうです。笠間氏やその周辺メンバーには思いもよらない斬新なアイデアだったので驚いたそうです。

まちづくりのポイントは、他の地域の成功策をそのまま真似するのではなく、地域の特色にあったオリジナル性をもたせること。そのうえで学生に期待することは、学生の目線で、先生や、大人には思いもつかない学生らしいアイデアをどんどん出していって欲しいとのことでした。

今後、多摩地域の商店街活性化に取り組む学生にとって、リアリティーに富み、かつ大きなヒントとなる、実りある90分になったことは言うまでもありません。

(文責)経営学部特任准教授 田原洋樹

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